ねこころです。
今日はこの本を読みましたので紹介します。
読解力が大事
シンギュラリティは来ない
著者の新井紀子先生は東ロボくんプロジェクトの中心人物です。
このプロジェクトは、「ロボットを東大に合格させる」というプロジェクトなのです。
ロボットは東大に合格できない
東ロボくんは世界史などの暗記科目、数学などの計算については大得意だったのですが、重大な欠点がありました。それは、
東ロボくんには読解力がない
したがって、東ロボくんは国語・英語については東大合格レベルに達することができないのです。
この問題が解けますか?RSTの中から問題です。
新井紀子先生は、東ロボくんの経験を活かし、RSTという読解力を試すテストを作成されます。
ここでRSTの一部を紹介します。
【問題】次の問題を読み、問いに答えよ
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
セルロースは( )と形が違う。
Aデンプン、Bアミラーゼ、Cグルコース、D酵素
皆様、いかがでしょうか。
ちなみにこの問題の正解は、Aデンプンです。
ねこころ
現代の子どもたちの読解力が低いことがわかります。
読解力がなければAIに代替される
私たちは今まで大学入試の点数などでスクリーニングされてきておりました。
しかし、大学入試において評価される計算力や暗記力は皮肉にもAIが得意とする分野であるのです。
AIが苦手とする分野は読解力でした。
したがって、AIに代替されないためには読解力が必要です。
読解力はどうすれば向上するの?
読解力を向上させる方法は明らかではない。
結論から言うと、読解力を向上させる方法は、いまだ明らかではないとのことでした…。
スマホの使用時間とか、部活動とか、本を読んだ時間とか、すべて読解力との相関は見られなかったとのことです。
しかし、読解力を向上させる方法が判明した場合、AIの読解力を向上させる方法までわかってしまうということなので、わかってほしいような、ほしくないような…というところですね。
最悪のシナリオ
著者は最後に最悪のシナリオを危惧しています。
企業は人材不足に苦しむが、街には失業者が溢れる…
企業は読解力のある人材を求めるけれども、読解力のある人がおらず、人を雇用することができないということです。
また、AIにより大部分の仕事は代替されてしまい、さらに失業者の増大を加速させることが考えられます。
どうすればいいのか…
打つ手なし…!といったところですが、ねこころはこういった状況が来つつあるということを知っていることだけでも意味があると考えております。
シンギュラリティは到来しないにせよ、AIは私たちの仕事を奪いつつあります。
どうすれば読解力を高めることができるか、AIに代替されない力をつけることができるのか、考えながら生活することに意味があると信じております。
ねこころでした。